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濹東綺譚

通勤途中、たいてい何か読んでいる。
たとえば、春から夏にかけては、オカルトもの。
ホラーイベントの案内人をするようになってから、もう毎年の恒例である。
小説や民俗学、犯罪関連の書籍をまず当たり、それ以外にもヒントが落ちていないかと、神頼み的にウェブの世界も彷徨う。

投稿サイトを見ると、面白いことに、毎日毎日、読み切れないほどの投稿がある。
さすが、魑魅魍魎なインターネットの海。すさまじい玉石混合具合ではあるが、「あれ、これ読んだことあるなあ」というものもいくつか遭遇する。
そう。名作は生き残るのだ。有名どころでは「きさらぎ駅」とかですよね。「ことりばこ」とか、「幽霊だけど質問ある?」とか。定番のものは目にする確率も高い。

この夏、面白いと思ったのは、「事故で死にかけてから幽霊見えるようになった人の話」
投稿者に質問しながら、一か月くらい続いているやりとりが結構リアルでついつい読んでしまう)
興味ある方、覗いてみてください。
http://www.mononokereport.com/entry/2016/06/04/121349

まだまだ暑いけど、気分的にはもう中秋の名月だ。
オカルトは卒業して、Kindleの小説を心行くまで読むとしよう。
近面白いと思ったのは永井荷風の小説、濹東綺譚だ。
きっかけは、twitterで流れて来た一枚の写真である。浅草のストリップ小屋の楽屋に、半裸で舞台化粧を施した女性たちに囲まれるスーツ姿の作家の姿があまりにも瓢々としていて、その写真の解説には「文化勲章を受章した当時の記録」とある。文化勲章とストリップ。あまり親和性のない単語に思える。

舞台は、東向島である。
この界隈は、以前、仕事で何度も転車で走り回っていたところだ。
永井氏の文章は昨日書かれたそれのように新鮮で読みやすく、特にこの地域のことをつぶさに書いている。愛着があったのだろうか。残念ながら、街並みに面影は残されていない。僅か六十年の間に、路面電車は無くなり、寄席はスーパーマーケットに替わっている。当たり前のことだ。永井氏の文章があまりにも瑞々しいために、つい、彼が目にした「玉の井」の風景を私も覗き見たくなってしまうけれど。

当時、この辺りの女性の一割ほどは、日本髪を結っていたそうだ。信じられない。
傘を貸した女性に手を引かれて雨宿りをする作家。彼女は髪結いからの帰りで、島田髷には銀糸が結ばれている。仕事の準備をするために単衣を肩まで下げ、首の下からおしろいを刷毛で塗っていく。この場面がとても好きだ。
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紅茶と梨。それに本があれば。何とも満ち足りた夜。


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テーマ:今夜のおかず - ジャンル:アダルト

盆踊り

昨日は一日中、豪雨と晴れ間がサンドイッチみたいな日だった。
夕方、雨が降っていたのに太鼓の音が響いてきて、たぶん盆踊りだろうけど開催できるんだろうかと心配していたのだが。

雨、ちゃんと上がりましたね。良かった良かった。

東京音頭。
炭坑節。
八木節。

炭坑節も八木節も大好きだけど、振付がわからんです。私にできるのはやぐらの上の太鼓ぐらいだし。
あー。練習しよっかな。(唯一踊れるのは板橋音頭)
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フランクフルト、一本50円。行列が長すぎて踊りの輪に突っ込みそうになってた。うめー。
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ポップコーンまで買っても、しめて200円。

踊らずにアパートまで帰り、映画を見ることにする。(ポップコーンあるし)
一緒にいた友人から、北国採れたての美味しそうな枝豆を頂いていたのでそれを塩で揉んでから電子レンジへ。

観た映画はこちら。

部屋で観る醍醐味。好きなだけ大きな声で笑える。
北関東育ちの自分にとっては訛りの演出が嬉しい。
江戸で田舎ざむらい、と馬鹿にされて、福島弁で啖呵を切るシーンは鳥肌が立ちました。うひー。かっこいいよう!
俳優さんて、すごいよねえ。
リターンズ、が、9月10日に公開されるみたいなので、それは是非、映画館に行こうと思います。


盆踊り、まだな方もこれからな方も、ぜひ一押しなりと。

テーマ:素人 - ジャンル:アダルト

白日夢

81年度版の「白日夢」を観た。

ストーリーはぜんぜん説明できないくせに(徹頭徹尾よくわかんない)、何日経っても、頭の中で強制的に再現してくる映画だ。
公開当時は、愛染恭子と佐藤慶の本番シーンが話題となったそうだ。35年も前のことである。もちろん当時のことは知る由も無く、何も知らずにこの映画を観たところでは、この映画の醍醐味は別のところにあるような気がする。この映画を知ったきっかけは緊縛シーンであったが、実は、そこでもない。

① むしろ、口腔偏愛とか。(冒頭の歯科治療シーンは最高だと思う。途中から直接的なエロに突入しちゃう迷走っぷりがまたすごい。)
② 尻派、とか(愛染さんの裸体を後ろからひたすら追いかける映画である、とも言えるような気がする)
③ 何より、ウエットアンドメッシー に劣情を催す方には、強く視聴をお薦めしたい映画である。(ゴーストバスターズには敵わないけど)
これらのフェティッシュ要素が複雑に絡まり、こんがらかって、ぐっちゃぐちゃである。
洗車マシーンの場面は、もうびっくりした。これは小さい頃から一度やってみたかったのだが、自分だけじゃなかったんだなーと思いました。武智さん、ありがとう。

当然のように、ホラー要素もかなり濃いので、怖がりの人にはおすすめしません。
(結局、観てる最中に怖くて2回くらい休憩した)

ホラーとエロスは相性が良い。
というわけで、宣伝です!
今年も緊縛×恐怖のイベント「真夏のホラー劇場」の水先案内人をつとめることとなりました。
7月17日(日)四谷三丁目スタジオALL IN にて、13時開演。
豪華ゲストを含め、どの演者も趣向を凝らして皆様の背中をゾゾーと冷やして差し上げますゆえ、ぜひ、お越しください。
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テーマ:SM・拷問・調教・凌辱  - ジャンル:アダルト

小倉ミチヨ

小倉ミチヨの著作、「入院記録、退院の後、更生途上にある独房の阿部定隣室観察十日間」を読んだ。
彼女は夫の清三郎と共に、三十年にわたって性の研究誌「相対」を出版している。逮捕や強制入院、家族との死別、と、波乱万丈な人生を送った人物である。
この本は三人目の子を妊娠中に胸を患い、五カ月で堕胎する、その前後の記録である。
中でも、夫婦の性生活が詳しく書かれているのだが、それと普段の生活とが全て同一線上に描かれている。

この本の中で、おそらく最も頻出なのは「春的」という単語である。
春的な夢、春的経験、等々。
肋膜炎を患い、手術をしたその一週間後、夫が病院を訪れた時のことは、こう書かれている。
******************
夫は手を私の胸のところへあてて動悸をみた。みておるうちに、その手がひょいと乳房に触れたので心地よかった。私はアーと言った。夫は私の顔を見ながら、そのまま手を引かないで乳房をいじりはじめた。乳房の感じと同時に、陰核に於いて強い感じが起った。なおもいじっているうちに、私は、たえられなくなったので全身に力を入れて夫の手をにぎりしめた。看護婦が入ってくると夫は手を引いてそしらぬ顔をしておった。すぐに看護婦は出て行った。またいじりはじめた。私はまたたえられないので、いじっている夫の手にかじりついて、しばらくしゃぶっていた。
*****************
例えば、彼女は「ミルクフード」を好む。
これがどんな食べ物だか、私にはわからない。検索をしても、ベビーフードばかりである。産婦人科の話が多いので、赤ちゃんのためのものかもしれないが、彼女は入院で出てくる食事がまずくて食べられず、ミルクフードばかり作ってもらい、飲んでいる。そのたびに、とてもおいしい、と書いている。飲んでみたい。

退院する時、夫は電車で、彼女は車で帰る、と書かれていて、不思議に思う。なぜ一緒に帰らないのかと。
読み進めると、何と人力車である。なんだなんだ、何時の話だ、と慌てて頁をめくると、「一昨年の地震で」とある。うわー。関東大震災か、これ。ということは、戦前の出来事であったか。(ミチヨさんは、明治生まれ)

こんな日記もある。退院した後、ミチヨが共同水道で洗濯ものを絞っていると、男が通りがかった。ズボンから陰茎を取り出し、勃起させようとして手を動かしているのである。ミチヨは「馬鹿なやつもあったものだ」とつぶやき、そのまま洗濯ものを絞っていると、ふらりとどこかへ歩いて行ってしまう。
そのことを隣の奥さんに話すと、「あら、いいことをしましたねー」と言われるのである。
***********************
「奥さん、このころの時節に、あんな病気が多いんですって。あれはいんらんと云うでしょう。ちょこっと三本の指でつばをつけて、真っ赤な大きさの五寸ほどなのをシャッシャッシャッシャッと動かしてね、なかには真っ黒いまるで印度人のようなのもありますよ。そして、平気でシューシューと白いのを出してね」と手真似をしながら云った。その手まねがなかなか上手かった。私たちはお腹の痛くなるほど笑った。私にむかって「あなたが平気でいたから面白くないもんだから、途中でよして行ったんですよ。きっと。またこの先の水道橋あたりでやって居りましょうよ。女に見せるのが嬉しいんですよ。あんなをせんずりこきといいましてね。奥さんは、よいことをしましたね。今日はきっと、よいことがありますよ。あれを見た人は、大変良いんですって」
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谷中、千駄木、田端。動坂や団子坂あたりの描写が多いことも楽しめる。百年前のご近所さんである。子供をつれてステーションに電車を見に行く、と書いてあった。2016年5月現在、ちょうど田端駅は開業120年で、写真展をしていて、これを見に行ったばかりである。大きくパネルに引き伸ばされた写真からは、煙突の目立つ工場地帯と、その外側に広がる田畑を遥か遠くまで見渡すことができた。あの風景をミチヨさんも見ていただろうか。
さらに、本文中では動物園まで、電車に乗らずに行き、また歩いて帰って来た、ともある。ひえー。小さい子供も二人、普通に歩いたようだ。上野までは急な坂を越えていかねばならぬ。百年前の方々は健脚である。

巻末には、彼女が収監中の日記が載っていた。逮捕された時、何と隣の独房が阿部定だったという。
独房で過ごす阿部定の様子のレポートを目当てに読み始めた本でもある。

他にも、小倉ミチヨの少女時代の話(海辺の村育ち)なども描かれているが、大変に面白かった。性にまつわるゴシップは、現代のようにフィルターがかけられることもなく、グロテスクなものも含めて、親や近所の人たちの話が聞こえてきてしまう。
彼女の文章は、百年前の性のリアルを伝えてくれる。


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よふかし

のんびりな休日。

久しぶりにギャラリー新宿座にお邪魔してきた。
変わったなあ、と思う。本棚がずらりと並び、カフェも併設されている。
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ほっとできる落ち着く空間になっていて、写真を観たりお茶を飲んだり、また以前の展示の資料を眺めたりと、ついつい長居してしまった。

展示は、これ。(以下、ギャラリー新宿座HPより抜粋。)
http://shinjukuza.jp/cafe/
【1月のカフェ展示について】
『fellow -2人の緊縛写真展-』と題しまして、1月27〜2月1日までのギャラリーカフェでの展示は、縄会「レミコの部屋」、イベント「真夏のホラー劇場」を企画主催されているレミコさんと、相方としてゼータさんに担当していただきます。あまり馴染みのない方も緊縛に興味をもっていただけたらと、体験緊縛コーナーを最終日(2/1)に設けます。ぜひご覧ください。

本日、日曜日が最終日!体験緊縛もできるそうですよ~。間に合いそうな方は、ぜひぜひ。
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僭越ながら、撥水加工生地のゼンタイが作品に登場していて、嬉しい。(中の人は自分ではなく、モデルさんです)

帰りに西新宿に寄って、大好きな魚屋さんへ。
以前買った新鮮かつ巨大なスルメイカが美味しくて覗いてみたのだが、今日は無かった。甲イカがおいしそうだったから買えばよかったな。見慣れないフォルムで、つい腰が引けてしまった。
お昼ごはんはキンメ鯛の煮定食。2日連続で水産居酒屋である。昨日はシシャモやらカニみそやらを炙って食べていた。
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夕飯の買い物をしながらフラフラ帰って、部屋をきれいに片付け、手袋をつくろったりして、ついでに昼寝までしてしまった。よふかしなぞ、滅多にしないのだが、そんなわけでまだ起きている。

テーマ:日記 - ジャンル:アダルト

プロフィール

鼠子

Author:鼠子
音楽と東京を謳歌する変な人。ルーツはSMだけどゼンタイ、W&Mなど、皮膚感覚とアングラを愛してます。趣味は18禁なドキュメンタリーを撮影すること。blogでは過去と現在、現実と非現実、日常と非日常のコラージュをお届け中。のんびりふらふら放浪してます。ブログのご感想など、メールでもお待ちしております。こちらからお願いします。
ツイッター @nezuminoko
フリッカー(写真おきば)
http://www.flickr.com/photos/nezumiko/
タンブラー 日常
https://www.tumblr.com/blog/nezuminoko
タンブラー 非日常
https://www.tumblr.com/blog/lamia-nezumiko


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