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全頭マスク

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がちゃりと重い音がして、鉄のドアが内側から開かれた。
部屋の住人よりも先に、麝香のような甘ったるい香水の匂いが私を出迎える。
ドアの隙間から細い腕が見えた。その向こうに目を凝らすが、暗くて細部まで見ることができない。玄関も廊下もひどく暗かったが、通された部屋すらも天井からの明かりはなかった。部屋の角に置かれたガラスの箱だけが柔らかい光を放っていた。目が慣れてきたころ、男はティーカップに入れられた紅茶を持ってきてくれた。そんなに大きなカップではないのに、男が持つとどんぶりのように見える。向かい合って座ると、眼だけが大きくぎょろりと目立っていた。首のまわりはぶかぶかで襟との隙間が目立つ。手首も同じだ。大きな服の中で体が泳いでいるみたいだ。標準的なサイズを選んでしまうのだろうか。自分にはあまり秀でたルックスには見えなかったが、男はスリムな体型を自慢するのだった。
「君も、体型には気をつけたほうがいいよ。その脇腹の肉、何とかならない?アドバイスしようか?」
「いえ、気を使っていただいてありがとうございます。お手数かけるのも申し訳ないし、自分で。」
たぶん、善意で言っているのだろう。

男はメールでモデルの依頼をしてきた。
メールのリンク先には彼の管理するウェブサイトがあり、そこには海の中でのびのびと泳ぐイルカや美しいサンゴ礁が何百と展示されていた。美しい海の写真を撮り続けてきた男が、何故、卑猥な服装をした女を撮ろうと思ったのか。
「衣装はこれを着てくれるかな?」
カーテンの向こう側には姿見と蔓で編まれたカゴがある。服を脱ぎ、渡された服を身につけている時間も、男は喋り続けた。
女を痛めつけ、床にはいつくばらせ、肛門を責めるのが好きなんだ、と男は言った。硬い肛門をいかに手際よく解し、拡げ、小さな異物からだんだんと大きなバイブを入れられるように女の身体を加工していく過程を、男は生き生きと語る。まるで少年が自分の野球チームの話をするみたいに。
男の声は甲高く、私は布の向こうでメガネをかけた小さな鼠が得意げにキチキチと鳴いているような錯覚を覚えてしまう。
着替えの最後に男に渡された高さ10cmのピンヒールを履くと、私の身長は男を軽く超えてしまった。
「ああ、良くないな。やっぱり脱いで」
私を見上げながら男は指示する。
エナメルの艶やかな黒をグローブをつけた手でそっと撫で、留め金を外して足を外した。この撮影で私が幸せを感じたのは、この足にぴったりと合った靴でしっかりと床を踏んだあの一瞬の時間だった。私の足は小さく、いつもサイズの微妙に合わないパンプスを履いていたのだ。
部屋に戻ると、ますます麝香もどきの匂いがきつく感じられ、顔をしかめないように気をつけながら「いい香りですね」と言うのがせいいっぱいだった。
「スルタンっていう香水だよ。アメ横の香水屋に売っていた。」
「お香も何種類も持ってるよ、趣味なんだ。良かったら何か焚こうか?」
いえ・・もう十分良い香りを堪能しております、と慌てて男の手に靴を押しつけ、化粧を直そうとすると、男が制した。
「ああ、口紅だけでいいよ。なるべく赤いもの、ってメールに書いたでしょ。それだけでいい」
理由は、すぐに分かった。頭をすっぽりと黒いマスクで覆われてしまえば、まるで人間ではない生き物のように見える。
「手を組んで。上に上げて」
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「このパテーションに手をついて。そう、後ろ向きに立つんだ。」
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「もっと、お尻を突き出して。」
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カメラのシャッターが鳴り始めると、私が声を出すことはない。
麝香の匂いに耐えながら、ただ、身体を動かしていく。
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花に顔を近づけても、もう何も感じられなかった。
私は、別のものに感じていた。
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「もういいよ、おつかれさま。着替えておいで」
麝香に辟易していたつもりだったが、服を脱いだ私の肌はじっとりと汗ばみ、自分でもぐらぐらするほどに甘い女の匂いを発していた。

※高画質版はありません。

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読書の秋

読書の秋 from nezumiko on Vimeo.


この動画、スカートが捲れてるのに気がつかないまま、うーんと身体を伸ばしてたのがわかって恥ずかしいです・・えーん。
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かわうそさんお手製のドレス。不思議かわいいのです。
デザフェスにも出展されているそうなので、気になる方はホンモノを手にするチャンスですよーん♪
かわうそさんのtwitterIDはこちら。@kawauso_baagu
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いよいよ明日からデザインフェスタ42が開催されます。私は22日の日曜日にトーキョーゼンタイクラブのブースにいます。ぜひぜひ遊びに来て!
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http://www.tokyozentaiclub.net/

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ゼンタイキャンバス

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ゼンタイアート@原宿デザインフェスタギャラリーから二週間後。私たちは、東京ビッグサイトにいた。
朝、真っ白なゼンタイを着る。自分の身体をキャンバスにして、立ち寄ってくれた人たちに色をつけていってもらう。
真っ白のゼンタイは、全ての視覚情報を奪う。本当に、何一つ見えない。触覚が異常に研ぎ澄まされる。油性のマジックペンが、肌の上を動く。同じ人が描いていても、筆圧は常に変動する。強く圧され、すっと引く。
子供たちは容赦ない。ぐいぐい、圧す。インクは生地を貫通して、肌に色を残した。
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くすぐったがりの人には、たまらない感触だろうなあ。
くすぐりフェチのひめりんごさんの顔が浮かんだ。彼女に着せてみたいと思った。
どんなにくすぐったくても、動いちゃいけないんだよ。素敵でしょう?うふふ。
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キャンパスがカラフルに染まっていく様子を ムービーでぜひご覧ください♪
https://www.youtube.com/watch?v=XmOiMtAa7EA
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たねマンさんにも落書きしてもらったよ~。やったね!
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またまた、ふたたびデザインフェスタ42でお会いしましょう!
次は新企画もってくよ!変化し続ける トーキョーゼンタイクラブに会いにきてください♪
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http://www.tokyozentaiclub.net/

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温泉

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プロフィール

鼠子

Author:鼠子
音楽と東京を謳歌する変な人。ルーツはSMだけどゼンタイ、W&Mなど、皮膚感覚とアングラを愛してます。趣味は18禁なドキュメンタリーを撮影すること。blogでは過去と現在、現実と非現実、日常と非日常のコラージュをお届け中。のんびりふらふら放浪してます。ブログのご感想など、メールでもお待ちしております。こちらからお願いします。
ツイッター @nezuminoko
フリッカー(写真おきば)
http://www.flickr.com/photos/nezumiko/
タンブラー 日常
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タンブラー 非日常
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