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境界線

ノーマルとは何か。
漫画家の新井祥さんによると、特に説明の必要が無い状態が「ノーマル・普通」であるという。
変態仲間の先輩に伺ったところ、フェラチオなんかは今は完全にノーマル枠だと思うが、ちょっと前は過激な行為だったそうだ。
この手の文化は時代によって大きく左右されるし、変化していくものであることは間違いない。
そしてまた、電車で隣に座った美女のセックスシーンを妄想することはあっても、彼女の頭の中でどのような妄想が繰り広げられているのか想像することは難しい。

年が明けた。「09年のまとめ」をするならば、昨年は、新しい経験をした。若い人との出会いである。
その中で、昨年いちばん驚いたこと。
それは、smでもスカトロでも幼児プレイでも、アタマで考えているだけで実行に移していない人々がいる、という事実だ。
当たり前すぎて恥ずかしいのだが、自分だってたかだか数年前はノーマルの一員であったのだ。実際のところ、頭で妄想していただけの時間は十数年間にも及ぶ。しかし、あっという間に感覚は麻痺する。自分の立ち位置が「普通」になる。

初めてsm繋がりのオフ会に参加した時に感動したのは、同じ嗜好を持つ人が世の中に本当に居るのだ、という実感であった。しかも、彼らはは決して「変人」ではなく、心優しき善良な社会人だ。出会った人たちの多くは私よりも遥かに永い長いキャリアの持ち主だったし、重ねた年月のぶんだけ経験も豊富だった。

年を取る、とはこういうことか。
話を戻そう。若い彼らは、まだ実体験ゼロ、言い換えれば「ノーマル」である。私は経験者としての発言を求められることになった。もちろん、経験談として参考になるようなものは持ち合わせていない。
そこにあるのは、肉声だ。
彼らはsmプレイヤーを恐れていたから、私たちは二人きりで会い、話をした。
意外なことに、彼らは決して「何も知らない素人」ではなかった。
その内側に偉大な妄想の世界を築き上げていた。
私が質問することのほうがずっと多かったように思う。
その深い知識や細部へのこだわりは、本当に面白くて、数時間はあっという間だ。
惹き込まれる。

しかし彼らは真実を語る。
「自由な想像や発想は誰も傷つけない。僕の頭の中にいる間は。」

まだリアルのsmに足を踏み入れたことは無い人にとって、「実際に行為に及ぶ」というのは大変なことだ。
境界線を越えるということ。
その抵抗感や、踏み越えてしまった時の諦観を、あなたは覚ておられるだろうか?

自分に限って言えば、抵抗感はあまり無かった。
記憶を可能な限り遡っても、少なくとも幼児期から「鞭で叩かれたい」と思っていた。
マチュピチュの生贄の話など、好き好んで読み耽った。←もちろんオカズとして。
時代劇の拷問シーンでは身体が熱くなって顔が真っ赤になってしまうので、家族の前では居心地が悪かった。
女の子はみんな、好きな人には叩かれたいものだと思っていた。キスするのと同じように。

初めて縛ってもらったとき、積年の夢は叶えられた。
今でも手首を拘束されてセックスするのがとても好きだ。

と、つらつら自分のことを書いてしまったが、こうやってblogという形で自分のあり方を公開してしまうほどに、私には罪悪感は薄い。(阿呆な事をしているなあ、という自虐的なおかしみはある。)もちろん、彼らに実際の行為を勧めることも無い。

と、マトモなお姉さんでいる予定だったのですが・・
懺悔するなら、一人だけ、こちら側に誘い込んでいる。
当時の自分は、まるで「やり手のセールスマンみたいだった」そうである。あれこれオイシソウな謳い文句を並べたり、緊縛写真や秘蔵のSMビデオをチラつかせたり、手段を選ばず押しまくった。

幼い頃からの嗜好を、自分の中にずっと封じ込めていた男の子だった。
私の性癖を知った時、彼の苦悶はすさまじかった。
すさまじかったが、でも、全く引かなかった。私の写真を見ても、私の行為を知っても。
これはいける、と思った。
私は出来るだけの餌を撒き、想像や妄想で昇華していた欲望を抑えないでほしい、と乞うた。
普通に付き合いたい、と彼は言った。
地獄に落ちたくない、と。

今でも彼の自己認識は「ノーマル」のままである。
私は、どっちだっていい。
ただ、一緒に過ごす時間が全てだからだ。

kubi2
彼にベルトを手渡してみた。
どうも、同じ匂いがするように感じられるのは希望的観測だろうか。

追記
araisyo
性別が、ない!
←Amazonにリンク
昨年、いちばん元気が無かった時に助けてもらったコミック。
男と女の両方の性を持つ著者の実話マンガなんだけど、何とsmの話もチラホラしてます♪
男女ではなく、「受け」「攻め」で分けたほうがスムーズな恋愛が出来る、というセリフには同感!
暗く描こうと思えばいくらでも描けるけど、あえてギャグ4コマこだわる姿勢にも強く惹かれました。
男→女、の女王様や女→男、の女教師や、ゲイ、バイにまつわる濃ゆーい登場人物が名古屋で送る日常生活マンガです。
「本当にあった笑える話」で連載中、単行本は7巻まで。

テーマ:SM - ジャンル:アダルト

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境界線のエントリーを読んで

いつも見ていたブログがありました。 鼠子さんの happy sm style その鼠子さんの先日のエントリー 「境界線」 その中にあった ...

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地獄も棲めば天国

やり手のセールスマン!
なかなか言い得て妙な表現ですね(笑)

これはいただきます♪

ちなみにパンドラの箱を開けると
その底には「希望」がありませんでしたか?

( ̄ ̄ー ̄ ̄)ニヤリ

そっかぁ、地獄なのかぁ。
私も境界線なんかあったのかっていうくらい、通り過ぎてきた。
ブログで思いや行為を並べることに、一種の興奮さえ感じてます(笑)

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

Re: 地獄も棲めば天国

Rさん
さすがRさんですね・・深いです!!
Rさんにお会いしたときよりは、少し吹っ切れてきたような感じもしますね~。希望が見えてるかどうかはアヤシイですが^^;でも、ありがとうございます。嬉しいです♪

大げさですよね^^;

瑠美さん
そうなんですよ~。これって、喉もと過ぎればナンとやら、ですよね。
私自身も、このあたりで「普通」との距離感を少し意識したほうがいいのかなあと・・特にブログとかやってると、どうしても、似た意識の人たちで集まりますよね・・それが魅力的ではあるのだけど、忘れてしまうこともあるんだなあと実感した年でした。

鍵コメさま

コメントありがとうございます。
びっくり・・なお正月のプレゼントでした!!感謝いたします。
blogを通しての出会いは、どれをとっても貴重なものです。本当は一人ひとり取り上げてエントリーにしたかったくらいです。ただ、狭い世界なので・・彼らの用心深さは私が最も学ばなくてはならないところでしょう。
緊張して固いコメントになっちゃいました^^;すみません~!!

今思い出すと・・・

幼少期、家で1人で、リカちゃん人形を片手に、
「無理やり~~される」というシチュエーションを設定して、
興奮して遊んでました・・・・。
今思うと、その頃からこういう嗜好の片鱗があったのか・・・(汗)。

私もまた、鼠子さんと同じように、
踏み越える事に、あまり抵抗がなかった1人なのですが、

彼のように「封じ込めよう」として来た人と、
そうではない人。
その違いは、どこからやって来るのでしょうね・・・。
不思議です。

いずれにしても、「ノーマル」なんて、
相対的なものでしかないから、
私も、どっちでもいいと思っています♪
今後のお二人の進展に、期待しています☆

ほんとよくわかります

封じ込めようとしていました。それはもう全力で。
自分の中にあるモノをとても怖れていましたので。(この一点だけでもすでにノーマルじゃないんですけどね・笑)
踏み越えてしまった時のショックも自己嫌悪もリアルに憶えておりますし、未だにノーマルの欠片にしがみつきたいと未練がましくも思っています(笑)
そういう意味では、彼の葛藤はとてもよく理解できます。
まるで彼は私みたい。苦悶するところも、でもひかないところも^^

「やり手のセールスマン」ならぬ「マッドサイエンティスト」に、15年もかけて薄皮をはがすように変えられ続けて、どうも自分はノーマルじゃないらしいと諦めかけてきたのが、ようやくの昨年(爆)
まだまだ抵抗中ではありますが、少しだけ力を抜いてみたら、とても楽になりました。

抵抗しても封じ込めても、しきれるものではないこともあります。
それはきっと自分がいちばんよくわかっているはずです。
それなら相手を選んで慎重に、だけどダイブするしかないですよねえ。
彼のこの先に幸多かれとお祈りしております。

ねずみこさん、今年もよろしくお願いします^^




わたしも~^^;

うう、境界線を越える躊躇の記憶、いまでも生々しく思い出せます。
でも躊躇する心を裏切るように行動は止められなかったです^^;

散々放浪していまに至りますが、蓋を開けてみると当初思い描いていたものとは違っているようで、最近はなんでもあり!?とちょっと開き直っています(笑)

大好きな人と気持ちよくなるためのものには、ホントは境界線なんてないのかもいしれないですよね^^

遅くなりましたが、今年もよろしくお願いします^^

うんうんw

境界線を越えた日の話しを ○ちゃんと今でもよく話します
もう何年も経っているのにね

でもその日越えたからこそ 今がある
ノーマルだけで済んでいたかもしれないけど アブノーマルからまた世界が 快楽が
間違いなく拡がりましたもんね

アブはドンドンエスカレートして行く怖さがあるから、私達はその日の話をしては
「ノーマルの中のスパイスとしてのアブ」という二人にしか通用しない確認作業を
しているのかも知れません 
コントロールしながらエスカレートさせていこうとしてるのでしょうかね

希望的観測が 目論見通りでしたっていう報告 お聞きしたいでぇ~すe-343

リカちゃん(笑)

華さん
私も、やりました^^;しかも妹をまきこんで^^;
罪悪感の有無って・・性格?でしょうか。他の事でもマイペース、自分の姿勢はあまり揺らがないほうだと思います。ああ・・きっと周りは迷惑かも~(><)

Re: ほんとよくわかります

プラタナスさん、あけましておめでとうございます。
ああ、プラタナスさんは苦悩派の代表ですよね!!社会人レベルが高いというか・・きちんと周囲を見渡せているからこそ悩むのかも~。
ところで、今年はマロニエ先生に弟子入りしたほうがいいかもしれません。
薄皮を剥ぐように・・ですって?!ああ・・いつものように、ついうっかり突貫工事をしかけてしまいました。すでにあちこちだだ漏れ・・決壊して、私の手には負えなくなっているかも~!!

Re: わたしも~^^;

まこさん
おお・・ここにも汽水域の方が!!って失礼!!それはジェ○さんの持ちネタでした。
が、まこさんこそ、その高低差、落差を利用して楽しんでおられますよね!!それは境界線無自覚派には無い楽しみ方だと確信します。
今年もラブラブレポート、楽しみにしております^^どうぞよろしくお願い致します。

エスカレートする怖さ

バタフライさん
何年たっても、そうやって立ち位置を確認していくのが大切なんですね。それって、いいなあ・・一粒で二度楽しめる。
ノーマルの中のスパイスとしてのアブノーマル・・自分にとっては結構難しいです~。無自覚なぶん、スイッチ入っちゃうと全部「普通」になっちゃうし~・・困ったなあー。
あ・・期待しないでくださいまし~(汗)

私の境界線は、「ご主人様が待機しているチャットルームに入ったとき」だったような気がします。
そのチャットのある場所には何度か行っていて、ご主人様が待機していらっしゃったことも知っていました。
でも、何か違うオーラが漂っていて、なかなか入ることができなかったのです。
(待機メッセが冷静すぎて怖かった、というのもありますが^^; )

その後はわりと抵抗なく、そんな自分を変態だなあと思いつつも受け入れて、いまに至ります。
やはり、導く側の力量が問われるのかも^^;

KIRAさん

違うオーラ・・冷静・・これこそ「ご主人様」の要素な気がします。
強い言い方をしなくても大きい声でなくても迫力があるというのは才能ですよね~。
素直についていくという経験はしたことがないので、うらやましい気もします♪

“私は、どっちだっていい。ただ、一緒に過ごす時間が全てだからだ”

この言葉に全て集約されているんでしょうね。 ノーマルかそうじゃないか
という定義の問題ではないんですよね。 当事者同士の間で成立していれば
いい。つくづくSMって人・心なんだと感じます。
なぜだか鼠子さんのこの言葉に、改めて目に見えないものの大切さを教えて
もらった気がします! ミョーなコメント失礼しました(笑)

竿さん

ありがとうございます。
smは楽しいけれど、どこか切ない・・そんな時期を多く過ごしてきたので、今は素のままの日常も含めておつきあいできるという、とても貴重な経験をさせてもらっています。
それに伴い・・つまんない諍いもすごーく増えました^^;ノーマルの付き合いって、大変だあ・・・

ノーマルとの境界線…

もう全然気付かないうちに越えちゃってた気が…
おかしいなぁ、確かに最初はノーマルな男の子と付き合ってたはずなのに(;^_^A

>マチュピチュの生贄の話など、好き好んで読み耽った。←もちろんオカズとして。

これ、思わずそうそう♪と頷いちゃいました
あと魔女狩りとかもドキドキしたり…

首に巻き付けたベルトの使い方素敵ですね♪
このままぎゅ~、って引っ張ると…なんて想像しちゃいました^^

Re: ノーマルとの境界線…

あ、そうそう♪
ベルトね、きゅーっといくとまたアブナイのですが~。楽しいですよね^^;
このあと、手でしてもらいました。(惚気でゴメン!)

あたしは「想像力のレベル」だと思うわ(*´艸`)

あたしが頭の中身をちらつかせると
引きつる人は「ノーマル」。
食いつく人は「アブノーマル」。
顔は崩さないくせに、
耳を立てる人は「大好物」(笑)

でた!らいたねえさん(笑)

うひひひひひ♪
わかるわー!!でも、最後の大好物って・・一番業が深いっ

自分で書いた記事なのに忘れてました^^;
遡って読んでくださってありがとうございます!
プロフィール

鼠子

Author:鼠子
音楽と東京を謳歌する変な人。ルーツはSMだけどゼンタイ、W&Mなど、皮膚感覚とアングラを愛してます。趣味は18禁なドキュメンタリーを撮影すること。blogでは過去と現在、現実と非現実、日常と非日常のコラージュをお届け中。のんびりふらふら放浪してます。ブログのご感想など、メールでもお待ちしております。こちらからお願いします。
ツイッター @nezuminoko
フリッカー(写真おきば)
http://www.flickr.com/photos/nezumiko/
タンブラー 日常
https://www.tumblr.com/blog/nezuminoko
タンブラー 非日常
https://www.tumblr.com/blog/lamia-nezumiko


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